第4話 心の根っこ

最近、児童虐待のニュースは残念ながら珍しくありません。当センターでも児童虐待の相談は年々増えています。子どもは、養育者からの絶対的な「愛情」で、自分の存在を受け止めてもらえるという安心感を得て、それがやがて他者に対する信頼感を育くまれることに繋がっていきます。このような成長は、木が水や養分を吸収し大地にしっかりと根を下ろすのと似ていると感じます。

しかし、虐待などの影響で愛着を形成できないままだと、その根っこも弱々しいままで、自分や相手を信頼できるという基本的な安心感が育ちません。さらに、心身共に遅れてしまった発達のため成長に伴う課題を乗り越えるのが困難になったりします。このような子どもの心の根っこを、大地にしっかりと根付くまで育て直すには、傷ついた木を元に戻すのと同様に、たくさんの努力と年月がかかります。

その作業に向き合おうとする親もまた、周囲に誰も頼れず子育てに孤独感を抱えていることがほとんどです。だからこそ、再びしっかりとした心の根っこを育む土を耕し水を与え汗を流す親を、一緒に見守る存在になれたら、と思っています。

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