

フォスタリングチェンジ・プログラム
フォスタリングチェンジとは、1999年イギリスのモーズレイ病院の専門家チームにより開発された、アタッチメント理論、社会的学習理論、認知行動理論に基づいた里親養育に特化したトレーニングプログラムです。
プログラムは週1回3時間のグループセッションを12回(約3か月)継続して行われ、対象者は実際に里子さんが委託されている里親6名~12名までを1グループとし、最低2名のファシリテーターがグループを担当します。
実際のセッションは、1つのテーマについて、時間をかけてグループ内で話し合います。例えば「褒める」という課題を例にすると、参加者はこれまでの褒められた経験や価値感・捉え方などを理解することから始まります。実体験を通した話し合いの中でテーマを深めた上で、里子さんをどう褒めるか、個々の里子さんにとって何がご褒美になるのかを考えていくことに時間をかけます。セッションの大半はこのように里親さんの自身の気づきや理解の為に多くの時間を費やし、ファシリテーターが専門家として里親さんへ指導または“答えを与える”のではなく、“里親が課題を見つめ、考える”ためのプログラムです。
そのため、各セッションはメンバーとファシリテーターが協働する時間となります。あたたかい雰囲気の中で行われるグループは、葛藤を共有できる場であり、挑戦や失敗を認め合う場であり、共に里親養育を行う仲間が集まる場へと変化していきます。
セッション1 | グループを創設し、子どもの行動を理解し記録する |
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セッション2 | 行動への影響:先行する出来事および結果 |
セッション3 | 効果的に褒める |
セッション4 | 肯定的な注目 |
セッション5 | 子どもの学習を支援する |
セッション6 | ご褒美およびご褒美表 |
セッション7 | 指示を与えることおよび選択的無視 |
セッション8 | ポジティブ・ディシプリン(肯定的なしつけ)および限界の設定 |
セッション9 | タイムアウトおよび問題解決方略 |
セッション10 | エンディングおよび総括 |
セッション11 | 肯定的変化を認め、自分自身をケアする |
セッション12 | コミュニケーション・スキルを使い、子どもが自分の感情を 調整できるように支援する |
第1回 実施内容
実施期間 2018年9月21日~12月21日(毎週金曜日) 10時~13時
参加里親 6名
第2回 実施内容

実施期間 2019年9月13日~11月29日(毎週金曜日) 10時~13時
参加里親 6名
セッション7開催時には、このフォスタリングチェンジプログラムを日本に導入された上鹿渡(かみかど)和宏先生が来園し、セッションを見学していただいたのち、スーパーバイズを受けました。


これまで参加された方の感想をご紹介します
A里親さん

B里親さん

C里親さん

D里親さん

【参考】
私たちの実践報告が載っています。
「SOS子どもの村JAPAN「フォスタリングチェンジ・プログラム 2018年度実践報告」 特定非営利活動法人 SOS子どもの村JAPAN、2019
https://fields.canpan.info/report/detail/22318
【参考文献】
Karen Bachmann et al :(2017) FOSTERING CHANGE. British Association for Adoption and Fostering This translation.(上鹿渡和宏監訳[2017]フォスタリングチェンジ 子どもとの関係を改善し問題行動に対応する里親トレーニングプログラム 」福村出版)
